解体工事で発生する廃棄物にはどんな種類がある?リサイクルされてどうなるのかも知ろう

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解体工事の際には、一般的な大きさの家屋であっても、大量の廃棄物が出ることは想像に難くありませんよね。

コンクリートガラや木片など、さまざまな種類・素材のゴミが山のように積み上がるのが解体工事の跡地、と素人でもイメージがつきます。これらは一体、最終的にどうなっていくのか考えたことはありますか?

今回はまず「廃棄物」にはどんなものがあるのかということから始めて、解体工事で出る主な廃棄物の種類にも触れていきます。

そもそも「廃棄物」とは何か?

解体工事で発生する廃棄物について触れる前に、まずそもそも「廃棄物とは何なのか?」ということから考えましょう。

一言でいうと「ゴミ」ですよね。

きちんとした定義でいうと、「使うことができず、また他人に有償で売ることもできず、不要になって処分するもの」というところです。自分だけでなく、他人も使えず不要である、という点がポイントです。

産業廃棄物とは

「事業活動(製造業・建設業・オフィス・商店などの商業活動・水道事業・学校などの公共的事業も含む)において排出された廃棄物のうち、廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物」というのが、産業廃棄物です。

逆にいえば、「事業活動」で排出されても「廃棄物処理法で規定された20種類」以外のものは産業廃棄物には該当しない、ということですね。

20種類とは、具体的に「燃えがら・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類・ゴムくず・金属くず・ガラス、コンクリート、陶磁器くず・鉱さい・がれき類・ばいじん・.紙くず・木くず・繊維くず・動物系固形不要物・動植物系残さ・動物のふん尿・動物の死体・コンクリート固形化物など、上記の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記に該当しないもの」です。

これを見ると、解体工事で出る廃棄物は全般的に産業廃棄物だということがわかります。

一般廃棄物とは

一般廃棄物は、「産業廃棄物以外の廃棄物」を指します。

事業所などから出るもので、産業廃棄物以外のものを「事業系一般廃棄物」、家庭での一般生活から出るものは「家庭廃棄物」といいます。

例として挙げられるものは、紙くずや段ボール・残飯・野菜くずなど。同じものでも、これが事務所や飲食店・小売店などから出れば事業系一般廃棄物で、家庭から出れば家庭廃棄物となるのです。

有価物とは

廃棄物と対をなすものに、有価物といういいかたをするものがあります。廃棄物の反対語なので、「自分で使えるもの・他人に売れるもの」のことをいいます。

ポイントは、「自分では使えると思っていなくても第三者から見たら価値があると判断されるもの」も有価物であるというところです。

自分には必要がない、価値がないと思ってリサイクルショップや中古品屋に持って行くと買い取ってもらえるようなものは、有価物なのです。

廃棄物と有価物の取扱いができる許可とは

産業廃棄物・一般廃棄物、そして有価物は、それぞれ扱うために取得する許可の種類に違いがあります。

有価物は、「古物商許可」というものを得られれば収集・運搬が可能になります。

産業廃棄物は「産業廃棄物収集運搬業許可」、一般廃棄物は「一般廃棄物収集運搬業許可」がそれぞれ必要であり、どちらか片方持っていればもう片方も収集・運搬ができるというものではありません。

無許可で行えば懲役5年以下か、1,000万円の罰金が科されます。大変厳しいもので、物処理業に関しては、ごまかしで行う業者が痛い目を見るようになりました。

解体工事業者についても、自社で廃棄物処理まで行うような業者であれば、産業廃棄物収集運搬業許可を持っていなければならないということです。

解体工事で出た廃材はどうリサイクルされるのか

解体工事で出る産業廃棄物で、主なものは以下の通りです。

・コンクリート・アスファルトのがれき

・木くず

・ガラス・陶器類

・プラスチック類

・紙くず

・繊維くず

・金属くず

・石膏ボード

など

これらはきちんと種類ごとに分別されて、それぞれの処分場に運ばれたり、リサイクルされるものはされたりすることになります。

以前は全部まとめて一緒くたに運搬・処分ということもありましたが、建設リサイクル法が施行されてからはそうもいかなくなりました。

分別には手間も時間も費用もかかりますが、環境保護の観点からリサイクルの重要性を考えると、軽視できないことなのです。

ではそれぞれの廃材がどんなふうにリサイクルされるのか、一部を見ていきましょう。

コンクリート・アスファルトのがれき

これらがれきは細かく砕かれて、RCと呼ばれる再生砕石となります。その後道路工事などで使用されます。

再生使用率はほぼ100パーセントといわれていて、山から砕石を切り出してくることはどんどん減っているそうです。

木くず

「木質チップ」や「木質ペレット」といった木質燃料や、パーティクルボード(コンパネ)に生まれ変わることで、90パーセントほどがリサイクルに成功しています。

廃棄物の中でも、特に再資源化の代表格とされているのが木くずといわれています。

ガラス類

ガラスはリサイクルするのが難しいもののひとつで、木くずなどと違って一部のみがリサイクルされているのが現状です。

用途としては、細かく切断して溶かしてから再生ビンにされたり、建材の材料に生まれ変わったりすることが多くなっています。

プラスチック類

プラスチックは「RPF」や「プラスチック製品」「衣類」などに生まれ変わります。

PRFとは、プラスチック・紙・木くずを混ぜ合わせた固形燃料のことで、パルプ工場や製紙工場で主に使われています。

プラスチックはプラスチックにリサイクルすることが可能なので、多種多様にわたるプラスチック製品に生まれ変わらせることも可能です。

プラスチックから衣類へのリサイクル…というと意外なようですが、代表的なものでいうと「フリース」がそうです。

紙くず

紙から紙へのリサイクルは、身近でもよく聞きますね。再生紙という言葉は一般的になってからずいぶん経つことでしょう。

ダンボールも再利用が可能になっています。

鉄くず

鉄くずも木くず同様、再資源化できる代表格のひとつです。こちらもほぼ100パーセントがリサイクルされて、ふたたび鉄骨製品として生まれ変わります。

石膏ボード

石膏ボードとは、その名の通り石膏を主成分とした素材を板状にした建築資材です。安価なのに丈夫であり、断熱性や遮音性が高いということで壁や天井に広く使われています。そのため解体工事現場では大量に出る廃棄物のひとつです。

石膏ボードはまず、細かく砕かれてまた石膏ボードとしてリサイクルされる場合と、土地改良剤に生まれ変わる場合とがあります。

まとめ

解体工事での費用内訳を見てみると、建物の解体費の次に高額となるのが廃棄物処理費用です。廃棄物の処理には、それだけ手間とお金がかかるものなのです。これは、環境保護からの再資源化という時代の流れ、世界の動きから近年顕著となっている傾向であり、今後も廃棄物の処理方法に関しては厳しく管理されていくでしょう。

きちんと見てみると、解体工事現場で排出される廃材には、リサイクルされてまた役に立つものがたくさんあるものなのですね。ゴミがゴミではなく、資源としてまた利用されると知ると、「解体」という行為への罪悪感のようなものも薄まり、空き家に悩んでいる方でも積極的に解体工事を検討してみるきっかけにもなるかもしれませんね。

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